「神さまを知っている安心」 08.05.25
ルカ福音書 1:46〜55
主イエスが教えてくださった「主の祈り」は、前半と後半に分けられます。
前半の三つは、神さまに関係する内容です。後半の三つは自分に
関係します。
祈りというのは、自分の思っていることを神さまに訴えることだと考える
かもしれません。しかし、主イエスが教えてくださった祈りは、半分は
神さまに関することでした。
人には、神さまのことをすぐに忘れ、後回しにしてしまう傾向がある
ことを、主イエスは良くご存知です。神さまを忘れる時に、人は本当の
人として生きていくことはできません。神さまのことを後回しにして、
自分を最優先して生きることが、健やかな人生につながると考える人も
いますが、それは自分の抱える罪ある欲望の虜となった生き方です。
人が真に自由に、真に人らしく生きていけるようにと、神さまが与えて
くださった十戒も、前半の内容は、神さまとの関係を正しくすることです。
神さまとの関係が整う時に、私達の人生も整っていきます。
まず「御名をあがめさせ給え」と祈ります。それは、神さまを神さまと
して正しく崇(あがめ)められますように、ということです。そのためには、
神さまのことを正しく知らなければなりません。まず聖書で描かれるのは、
創造主なる神さまです。天地をお造りになり、何よりもこの私自身を心を
こめて造ってくださった神さまを知るべきです。新約聖書で描かれるのは、
独り子なる主イエスを十字架につけてでも、私達の罪を赦し、ご自分の
もとに迎え入れようとしてくださる、愛に満ちた神さまです。そこまでして、
愛してくださる神さまを知るべきです。
また、全能の神さまを知るべきです。主イエスを身ごもったことを
知らされたマリアは、戸惑いながらも神さまを崇めました。
それは、「神にできないことは何一つない」という御使いの言葉に
よって、全能の神さまをはっきりと知ったからでした。
そのような神さまを知る時に、心から神さまを崇め、安心して歩みを
進めていくでしょう。主イエスは、そのような歩みへと私たちを招いて
おられます。